出前授業「地球にやさしいサステナブルな酪農体験ツアー」(千代田区立昌平小学校)
先日、千代田区立昌平小学校にて、小学3年生を対象としたカネカによる出前授業“地球にやさしいサステナブルな酪農体験ツアー”が実施されました。地球にやさしいサステナブルな酪農体験ツアーは、子どもたちに酪農、オーガニック食品、そしてSDGsをもっと知ってもらい、より身近に感じてもらえる体験型出前授業です。
昌平小学校は、東京都教育委員会による“体育健康教育推進校”の指定校。運動やスポーツとの多様な関わりを通じて、健康で活力に満ちた生活をデザインする資質や能力を育成するため、効果的な体育健康教育を実践的に研究し、その効果を普及することに取り組んでおられます。
また、昌平小学校は、生徒の健康的な生活習慣の定着を図るため、“食”に関する指導に注力。生徒の“食育”の一環として、今回の出前授業を実施することとなりました。
出前授業で講師を担当したのは、カネカの森下淳さん。森下さんによれば、「この出前授業の内容は、小学3年生の学習指導要領の内容と連携しながら、カネカの取り組みを加えている」といいます。特に、「SDGs、社会、理科に加えて、カネカの地球にやさしいサステナブルな酪農に焦点を当てた内容であることが特徴です」(森下さん)。ここでは、SDGs、社会、理科、地球にやさしいサステナブルな酪農のテーマごとに出前授業の特徴を見ていきたいと思います。
SDGs
小学校では2020年度から新たな学習指導要領が導入され、その中に“持続可能な社会の創り手の育成”が明記されました。学校教育全体並びに各教科,総合的な学習の時間及び特別活動などにおいて,SDGsに関する教育機会の提供が求められています。
森下さんは、「小学校の中~高学年の方はSDGsという言葉を一度は見聞きしたことがあるかもしれませんが、なかなかSDGsを自分事としてとらえにくい点があるかもしれません」と語ります。実は、スーパーでの買い物で有機(オーガニック)食品を選ぶことが、SDGs目標に繋がることを生徒たちに伝えていました。
具体的には、オーガニック食品を選ぶことが、SDGs目標である“12.つくる責任つかう責任”の中の、“地球の資源をむだにしない、化学物質にたよりすぎないこと”、“15.陸の豊かさも守ろう”の中の、“木、土を大切に、小さないきものも大切に”することに繋がるのです。
社会
学習指導要領によると、「地域の特色ある地形,土地利用の様子を観察し、さらに、地域の人々の生産に関する工夫を学んでもらい、それらは自分たちの生活を支えていることを学ぶこと」が大切とのこと。
出前授業では、カネカグループ運営牧場“別海ウェルネスファーム”が位置する北海道別海町の地図を見ながら、高さと広がり、土地の使われ方を学びました。別海町は、霧が濃く冷涼な気候であり、土地の使われ方として、冷害に強い牧草地が主であること。そしてその牧草で育てる酪農が盛んであることを、地図を通じて勉強してもらいました。
また、酪農で働く人として、別海ウェルネスファームの久多里 俊輔さんのインタビュー動画を放映。“人にやさしい、牛にやさしい、環境にやさしい”という牧場のコンセプトを実現するため、いろいろな工夫をしていることについて話してもらいました。
そして、会場ではこの牧場の生乳を使用したピュアナチュール™オーガニックヨーグルトを試食してもらいました。“別海ウェルネスファーム”のオーガニック生乳を使用したヨーグルトを食べることで、酪農家とのつながりを感じてもらえたと思います。
理科
学習指導要領によれば、「身近に見られる動物や植物に関して興味・関心をもって追究する活動を通じて、生物を愛護する態度を育てるとともに、生物の成長のきまりや体のつくり、生物と環境とのかかわりについての見方や考え方を養うこと」が求められています。
出前授業では、“牛ってどんな動物?”と題して、牛の模様の特徴、大きさなどをクイズ形式で出題。子どもたちは真剣な眼差しで手を挙げて、積極的に答えてくれました。「より牛を身近に感じてもらえるよう、実物大の牛のポスターと背比べしたり、牧場で撮影した放牧地でのんびりする牛たちの動画を投影したりするなどの工夫をこらしました」と森下さん。
地球にやさしいサステナブルな酪農
別海ウェルネスファームでは、牛のうんちが肥料になり、その有機肥料で牛のえさとなるとうもろこしなどを育てています。今回、牧場から取り寄せた牛のえさ(牧草、とうもろこし、サイレージ)と牛のうんちからできた有機肥料を展示。子どもたちには、実際にえさをさわって、有機肥料のにおいをかいでもらいました。
最後に、授業に参加された生徒の皆さんには、地球にやさしいサステナブルな酪農の認定証がプレゼントされました。「今回の出前授業をきっかけに、生徒さん・親御さんに酪農をもっと身近に、オーガニック食品をもっと気軽に感じてもらえたら」と森下さんは語りました。
カネカでは、「今後より多くの小学校でこの体験授業を広めていきたい」と考えており、小学校の中学年だけでなく高学年向けの体験授業も提供していくとのこと。今後、学校現場で、酪農、オーガニック食品、そしてSDGsを学べる機会が増えていきそうですね。
出典
学習指導要領における持続可能な開発のための教育に関する記述
https://www.mext.go.jp/unesco/004/1339973.htm
学習指導要領 第2章第2節 社会 (文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/sya.htm
学習指導要領 第2章第4節 理科 (文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/ri.htm
体育健康教育推進校(東京都教育委員会)
https://www.taiiku-kenko-edu.metro.tokyo.lg.jp/optimal_learning/school.html