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オーガニックのある暮らし

オーガニックとヨーグルトを生活で楽しむコツ 斉藤かすみ さん

オーガニックとヨーグルトを生活で楽しむコツ  斉藤かすみ さん
もくじ

フランス料理研究家の斉藤かすみさんは、1987年からフレンチイタリアンの料理教室を主宰後、2007年に神楽坂でフランス料理教室「サロン ピルゥファス」を立ち上げました。教室では、野菜をふんだんに使った体に優しいレシピが人気。また、斉藤さんはヨーグルトに関する書籍の共著者でもあり、大のヨーグルト好き。料理教室を主宰して30年以上になる斉藤かすみさんに、オーガニックとヨーグルトを生活で楽しむコツについてお伺いしました。

ヨーグルトをもう少しカジュアルに

斉藤さんは、日本人はもっといろいろな形でヨーグルトを楽しんで欲しいと言います。「フランス人は、デザートが何もない時、ヨーグルトひとつでもデザートにして楽しむなど、“生活の楽しみ”としてヨーグルトを毎日のように取り入れています。」また、そのまま食べるだけでなく、「調味料やドレッシングなど、いろいろな使い方でヨーグルトを生活に取り入れていますよ。」と斉藤さんは教えてくれました。

確かに日本人は、“ヨーグルトを健康のために食べる”と考えている方が多いような気がします。そのこと自体は素晴らしいことですが、「ヨーグルトをもう少しカジュアルに考えて、いろんな形で楽しむことがよいのではないでしょうか。」と斉藤さん。

それでは斉藤さんのヨーグルトのおすすめの使い方は?「デザートとしてそのまま食べるのはもちろんのこと、肉や魚をマリネしたり、パン生地に加えたりいろいろな活用方法があります。」意外な組み合わせは、なんと味噌汁にヨーグルトを入れること!「発酵×発酵の相性は良く、いつもの味噌汁の旨味がぐっとアップしますよ。」

さらにお薦めの使い方としては、ドレッシング。ドレッシングとして使用する場合、ヨーグルトを水切りした“フロマージュブラン”を利用することが多いとのこと。「ヨーグルトは水分濃度を調整することで形状が変わり、使い道が広がりますよ。」(斉藤さん)

オーガニック(有機)食品を生活に取り入れるコツ

次に斉藤さんに、オーガニック(有機)食品を生活に取り入れるコツを聞いてみました。

オーガニック食品に求めるものは、「やはり、安全・安心。そして美味しいことも重要です。」その一方で、斉藤さんが課題として感じているのは、オーガニック食品の価格が高いイメージがあること。オーガニック食品に対する消費者が感じるハードル。このハードルをどうすれば消費者に越えてもらえるのでしょうか?

斉藤さんは、「オーガニック食品について、安全安心、製法やこだわり、そして、サステナブルにいかにつながるかなどしっかりと伝えることを心がけています。」と語ります。実際、斉藤さんは、料理教室でオーガニック食品を使う場合、通常の食品に比べてその背景など時間を割いて説明するようにされているとのこと。

サステナブルな暮らしのコツ

最後に、サステナブルな暮らしのコツについてお伺いしました。「料理教室では、野菜を使った後の使いくず(皮、へた、根など)を集めて、野菜のブイヨンを取ることを長年実践しています。30分ほど煮出すとやさしくて美味しいブイヨンができますよ。」斉藤さんは、生徒の皆さんにも自宅でこの方法でブイヨンを作ることをお薦めしているとのこと。野菜の使いくずを使った野菜ブイヨンを作ることは、「お金もかからないですし、サステナブルな暮らしへのまさに第一歩と言えるでしょう。」(斉藤さん)

また、料理教室で使う食材は、旬のものを使うようにしているといいます。「例えば、きゅうりはスーパーに行けば一年中手に入りますが、料理教室ではあえて旬である夏に限定して使っています。」その理由は、「電気や燃料を使った促成栽培よりは、自然のエネルギーで育った旬の野菜の方がよりサステナブルだと考えているから。」と斉藤さん。

料理を通じて、サステナブルな暮らしのコツを教える。次の時代に求められる料理教室の新たなカタチを斉藤さんは私たちに示してくれています。